とりわけ「数」の分野からは独特の抽象度の高い(普通の受験生にとってはとっつきにくい)問題がよく出題されますが、このような問題を解く際、大切なことは、まず自分で簡単な例を作っていろいろ試してみることです。試していくうちに頭の中で問題の抽象度が下がっていき、正解を導きだす過程に近づいていきます。このような作業を多くの良問で何度も繰り返していくことによって問題に対する対応力が養われていきます。
また近年、大学入試において確率の分野と数列の分野の融合問題において、漸化式を作ることにより確率の一般項を求めるといったような問題が流行っていることもあり、灘中に限ったことではないのですが、中学入試においても場合の数の問題で、前の設問を解く際に使った「考え方」や「答」を利用して解くような問題がよく出題されています。
この手の問題は「慣れ」が大きくものを言いますので灘中だけでなく他の難関中の良問も解いておくと良いと思われます。
「図形」の分野についてですが、入試問題の傾向というよりは普段からの図形の問題に対する取り組み方について簡潔にお話ししますと
灘中の問題に対応できる図形的センスを身に付けるには、常日頃から塾のテキスト等にある重要問題において、核となる基本的な図のイメージを頭の中に“やきつける”ようにして下さい。
(“やきつける”には同じ問題を何度も反復すると良いです。)
複雑な図形も基本的な構図が組み合わさってできているので、基本的な構図における着目すべきポイントが頭の中にやきついていればおのずと解決の糸口が見えてきます。
できるだけ“形(かたち)”でとらえてください。
立体図形についてですが、灘中では展開図を組み立てたときにできる立体の体積を求めさせるような問題がよく出題されます。
この手の問題において展開図を組み立ててできる立体は、一見複雑そうに見えても実は立方体や直方体を切断してできる立体がほとんどなので、まずは立方体や直方体の見取り図をもとにそこからどのように切断してできた立体なのかを考えることが問題解決への突破口となります。
ここで問題を解き終えたあと、問題用紙にある展開図を拡大コピーして、一度実際に組み立ててみて下さい。そして解説にある立体の見取り図のようになっているかどうか自分の目でよく見てほしいのです。
私は展開図の問題を解説するとき、いつも生徒の前で展開図を組み立てます。
すると生徒は頭の中では分かったような気になっていても、実際に出来上がったものを見てみると「おおっ、すごい!なるほどなぁ~」と驚いたり感動したりして、問題に対する理解をさらに深めてくれます。
問題用紙の平面の世界だけでなく立体の世界を体験することによって、立体をとらえる能力は大きく向上していきます。一度作ってみることをオススメします。